2026年05月06日(水)「三宮の路地から始まった」UNBIRTHDAYと神戸の街が育ててくれた11年
株式会社UNBIRTHDAYが、神戸・三宮で最初の扉を開いたのは、2015年の夏でした。あれから11年。気づけば私たちのサロンも、ひとつの街並みの一部のような感覚で、ここに居させていただいています。
この記事では、「神戸という街と、ここでお会いしてきたお客様と、私たちUNBIRTHDAYが一緒に重ねてきた11年」のことを、少しだけゆっくりお話しさせてください。広告にも採用ページにも書かない、サロンの裏側の時間です。
2015年、三宮〜北野の小さな一歩から
なぜ「三宮〜北野」というエリアを選んだのか
代表の中務が、最初の店舗を「三宮〜北野」に決めた理由は、とてもシンプルなものでした。「自分が好きな街で、好きな人たちと、長く仕事がしたかった」。それだけです。
三宮の駅前から少し北へ歩き、坂を上がると、北野の落ち着いた空気に変わります。神戸という街は、繁華街と暮らしの場所が、こんなに短い距離の中に共存している。便利さと、生活の質感。流行と、自分のものさし。両方を諦めずに持っている街です。
この街で出会える方々と、髪を通して長くお付き合いしていきたい。そう感じたことが、UNBIRTHDAYの最初の出発点でした。
「なんでもない日」という言葉に込めたもの
UNBIRTHDAYというサロン名は、英国の児童文学に登場する「お誕生日でない日(unbirthday)」という言葉から取りました。1年に1日のお誕生日よりも、なんでもない364日のほうが、ずっと多い。
特別な日にだけきれいになるのではなく、なんでもない毎日をちょっとだけ良くするためにこそ、髪を整える時間がある。私たちはそう信じてきました。神戸の街には、なんでもない日を大切に丁寧に過ごしていらっしゃる方が、本当に多い。だからこの名前が、ここでなら自然に息をしてくれる気がしたのです。
「なんでもない日を、より良くする」というブランドメッセージは、いまも私たちの一番奥にある言葉です。
神戸の方が大切にしている、美しさの解像度
11年間、神戸でたくさんのお客様と向き合ってきて、私たちが少しずつ気づいてきたことがあります。それは、神戸の方の「ナチュラルでお願いします」は、けっして雑なナチュラルではない、ということです。
「ナチュラル」の中に、緻密な指定がある
透明感のある仕上がり、肌色との相性、骨格に合った輪郭、毛先のおさまり。シンプルに見える「ナチュラル」という一言の裏側には、実はとても繊細な要望が込められています。
私たちはその一言を、雑に受け取らないように努めてきました。お客様が初めて来店された日には、最初のカウンセリングに15分以上の時間をいただきます。長いと感じられるかもしれません。けれど、そのお客様が「ナチュラル」という言葉に込めた解像度を、こちらも同じ解像度で受け取りたい。そうでなければ、神戸という街では選んでいただけない。そう感じてきたからです。
暮らしに馴染む美しさを、自分で選び取る街
神戸の方は、雑誌やSNSで紹介されているスタイルを「自分の暮らしに馴染むかどうか」という視点で取捨選択する力が、とても強いと感じます。仕事の場、家族との時間、休日の過ごし方。そのすべてに無理なく溶け込む髪でいたい。
だから私たちのスタイル提案は、流行を押しつける方向ではなく、お客様の暮らしに馴染ませていく方向で組み立てるのが基本になりました。これは、神戸の方々から学ばせていただいた姿勢だと思っています。
4つの店舗で応える、それぞれの「らしさ」
UNBIRTHDAYはこの11年で、神戸・三宮〜北野エリアに4つの店舗を展開してきました。最初は本店一つから始まり、お客様の年代や悩み、ライフステージに合わせて、必要な「場所」を一つずつ増やしてきた、というのが正直なところです。
UNBIRTHDAY(本店)— 若手スタイリストを育てる土台
20代〜30代の、ナチュラルで丁寧な美容を求めてくださる方々に向き合うサロンです。同時に、新人スタイリストが現場で技術と接客を体に通していく「教育の土台」でもあります。私たちが「教育サロン」を名乗る、その出発点の店舗です。
SPACIUM(スペシウム)— 大人の髪悩みに寄り添うフラグシップ
30代〜40代を中心に、白髪・くせ毛・ボリュームダウンといった年齢的な髪の変化に、最も深く向き合うフラグシップ店です。経験を積んだスタイリストが、お一人おひとりの髪の経年変化を、長期的に診ていく場所として設計しました。「年齢に合わせて、似合うを更新していけるサロン」が、SPACIUMの役割です。
CHIKI(知己)— 中医学・東洋美学のメディカルケア
中医学(中国の伝統医学)の理論をベースにしたメディカルヘアケアサロンです。髪は身体の一部、という当たり前のところから出発して、頭皮の状態、全身の巡り、季節との関係といった視点で整えていきます。「ただ髪を切る」では届かない悩みを抱えた方が、最後にたどり着いてくださる場所になりました。
if(イフ)— ライフステージが変わっても通える場所
ご結婚、ご出産、復職、お子様の成長。女性のライフステージが変わるたびに「美容室も変えなくちゃ」と感じてしまう、その小さなストレスをなくしたくて生まれたのがifです。ママスタイリストが働けるシフト体制を整え、お客様もスタッフも、人生の変化を理由に分かれずに済む場所を目指しています。
お客様と、街と、重ねてきた11年の時間
11年もサロンを続けさせていただいていると、信じられないような時間の積み重ねが、自然と起こります。
結婚式の朝、出産前、転職前夜——人生の節目に立ち会わせていただく
ご結婚式の朝のヘアセット。出産前の最後のカラーリング。保育園にお子様が慣れたあとの、久しぶりのカット。転職前夜のリセット。人生の節目には、不思議と髪を整えに来てくださる方が多くいらっしゃいます。
私たちはそのたびに、髪を切るという仕事の手前にある「人生の節目に立ち会わせていただいている」という事実に、いつも背筋を伸ばし直してきました。お客様の今日の表情、選ばれる言葉、髪に込められたささやかな願いを、絶対に取りこぼしたくない。その緊張感は、11年経っても、ぜんぜん薄まりません。
お子様の成長を、お客様と一緒に見させていただく
オープン当初に「子どもが生まれたばかりで」とお越しくださった方が、いまではお子様と一緒に来店してくださる。当時、抱っこされていた赤ちゃんが、今はカット椅子に一人で座って、ちゃんと前を向いてくださる。11年という月日は、そういう瞬間を、何度もプレゼントしてくれました。
技術や売上の話ではなく、こうした時間の積み重ねこそが、神戸でサロンを続けさせていただいている本当の理由です。
「また来たい」と言ってくださる、その重み
「また来ますね」と帰られるお客様の一言は、私たちにとっては最大の評価です。神戸という街には、たくさんの素敵なサロンがあります。その中から「また」と選んでいただくということは、11年経っても、軽く受け取れるものではありません。
スタッフには、「お客様の次回予約をいただくことよりも、『また来たい』と思っていただける1時間をつくることに集中しよう」と、いつも伝えています。結果としての再来店は、その先にしか生まれないからです。
これからも、神戸という街と一緒に
教育サロンとしての役割を、もう一段深く
UNBIRTHDAYは「教育サロン」を名乗っています。技術の教育だけではありません。お客様一人ひとりの「らしさ」をきちんと言葉にして提案できる人を育てる、その人格と感受性の教育まで含めて、私たちは教育と呼んでいます。
神戸という街の、解像度の高い「ナチュラル」に応え続けるためには、スタイリスト一人ひとりの感受性そのものを育てていく必要があります。お客様の暮らしに想像力が届くスタイリストを、ここからもう一段、丁寧に育てていきたい。それがこれからの11年の、最も大事なテーマです。
神戸から、もう少し遠くまで届ける設計
ポッドキャスト「あつまれ!ふかふか頭皮さん」での発信や、頭皮ケアブランド「VERYDA(べりだ)」の取り組みは、神戸の店舗で得てきた知見を、もう少し遠くにいる方にもお届けするための試みです。直接お会いできない方にも、UNBIRTHDAYが大切にしてきた「なんでもない日を整える」という価値を、形を変えてお届けできたら。
そう考えながら、このコラムも、ポッドキャストも、商品づくりも、地続きの時間として進めています。
神戸という街そのものから、私たちが学んできたこと
11年も同じ街にサロンを構えていると、街の景色そのものが、少しずつ変わっていくのを目の前で見続けることになります。新しいお店ができ、長く愛されたお店が静かに閉じ、また新しい風景が生まれていく。その繰り返しの中に身を置きながら、私たちが学んできたことを少しだけお話しさせてください。
街の景色は変わる、でも変わらない距離感がある
三宮の駅前は、この11年でずいぶん表情を変えました。再開発が進み、新しいビルが立ち、人の流れも変わってきました。それでも変わらないのは、神戸という街に流れている、人と人との距離感だと感じます。
近すぎず、遠すぎず。自分の暮らしを大切にしながら、それでもまわりの方とのご縁は丁寧に育てていく。神戸の方々の人付き合いの感覚は、この街そのものの空気と地続きです。私たちはサロンの中でも、その距離感を大切にしてきました。べたっと近づきすぎず、それでいて、必要なときにはきちんと寄り添う。それが神戸の街にある美容室の、ちょうどいい温度だと思っています。
同業の方々との関係も、街の中で育ててきた
同じエリアには、長く愛されている素晴らしい美容室がたくさんあります。私たちはそうした先輩のサロンの方々に支えていただきながら、ここでサロンを続けてくることができました。「お客様を奪い合う」という発想ではなく、「神戸の街の美容文化を、それぞれの強みで一緒に育てていく」。そういう関係を、この11年で少しずつ築いてきました。
街の美容を支えるためには、自分のサロンだけが繁盛すれば良いという話ではありません。神戸という街に「ここで髪を整えたい」と思ってくださる方が一人でも増えるように、業界全体の底上げに自分たちなりの形で関わっていく。そう考えるようになったのも、神戸という街が教えてくれたことです。
変わってきたのは、私たち自身も同じ
11年経って、私たち自身もずいぶん変わりました。創業当時は、技術と勢いだけで走っていたところがあります。お客様に喜んでいただくために必死で、目の前の一人を満足させることに集中していました。それは大切な姿勢ですが、今振り返ると、まだ「自分たちの事情の中での全力」だったとも感じます。
いまは、お客様一人ひとりの「人生の文脈」まで想像力が届くサロンでありたいと思うようになりました。今日のカットが、お客様の明日の朝、来週の会議、来月の家族写真にどう影響するのか。そこまで想いを馳せられて初めて、ようやく「美容室」の仕事になる。そう考え方が変わってきたのは、神戸の方々と長くお付き合いさせていただいてきたからです。
変わらない部分と、変わってきた部分。その両方を抱えながら、これからもこの街の中で呼吸し続けるサロンでありたいと願っています。
まとめ — 街の一部として、これからも
11年、神戸・三宮にいさせていただいてきました。これからも、ここに居続けるつもりです。
人生の節目にも、なんでもない日にも、髪を整えに来てくださる場所として。神戸の街と一緒に、私たち自身も育ち続けるサロンとして。次の10年もどうぞよろしくお願いいたします。
最後に少しだけ、これを読んでくださっている方への気持ちを書かせてください。この記事は、UNBIRTHDAYに通ってくださっているお客様にも、これから初めてお会いする方にも、同じ気持ちで書いたつもりです。私たちは、髪を整えるという仕事を通して、神戸という街の中で「なんでもない日」を少しだけ良くするお手伝いをさせていただきたい。それが11年前のオープン当時から、今日まで、ずっと変わらない私たちの軸です。
どこかの店舗で、いつかお会いできる日を、心からお待ちしています。鏡の前に座っていただいたその瞬間から、お客様の毎日が少しだけ軽くなる時間を、丁寧につくらせていただきます。そのために私たちは、この街にいさせていただいています。
最寄りの店舗で、もしまだお会いしていない方がいらしたら、いつでもどうぞ。三宮の街角で、お待ちしています。
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