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2026年05月27日(水)神戸・三宮で11年。UNBIRTHDAYが「なんでもない日」にこだわる理由 ─ 創業ストーリーと理念

神戸・三宮の北野エリアに、UNBIRTHDAY(アンバースデー)という小さな美容室があります。2015年に1店舗から始まったこの場所は、2026年のいま、4店舗・スタッフ16名のチームへと育ちました。今回は「なぜこの名前にしたのか」「なぜこの土地で続けているのか」をたどりながら、私たちが11年間ずっと大切にしてきた一つの言葉について書かせてください。それは──「なんでもない日を、より良くする。」というブランドメッセージです。

派手な記念日でも、特別なイベントでもない。けれど、その積み重ねが人生のほとんどを形づくっている。私たちが向き合いたいのは、まさにその「なんでもない日」の方です。少し長くなりますが、UNBIRTHDAYというブランドの背景を、できるだけ等身大の言葉で残しておきたいと思います。

2015年、神戸・三宮の小さな美容室から始まった

独立を決めた日のこと

UNBIRTHDAYの始まりは、代表・中務剛志(なかつかさ たけし)が「美容師としての残りの人生を、どう使うか」を真剣に考え直した一日でした。10代から美容業界に身を置き、技術と接客に向き合い続けてきた中で、ふと気づいたことがあります。「美容室は、お客様の人生に何度も立ち会う仕事なのに、関わりが“その日の髪型”だけで終わってしまっていないか」。来店から会計までの数時間ではなく、その後の数か月、数年に響くような仕事をしたい。そう思った瞬間から、独立の準備は静かに始まっていました。物件探し、コンセプトづくり、最初のスタッフへの声かけ。派手な事業計画書はありませんでしたが、「自分が美容師として残したい風景はこれだ」という確信だけは、毎日少しずつ濃くなっていきました。

神戸・三宮の北野エリアを選んだ理由

場所を神戸・三宮の北野エリアに決めたのは、街そのものに「日常の中の上質さ」が息づいていたからです。観光地でありながら、住む人・働く人の生活が確かに流れている。背伸びをしすぎず、けれど確かな丁寧さがある。坂の途中で振り返ると海が見え、少し歩けば異人館の落ち着いた佇まいがある。そんな街の空気と、私たちが届けたい時間の感じはよく似ていました。1店舗目をオープンした日、迎えたお客様の数は決して多くありません。それでも、「来てくださった一人ひとりの“なんでもない一日”を、ほんの少し軽くする」ことに集中する。それがUNBIRTHDAYの最初の仕事でした。髪は伸びます。だからお客様は、また来てくださる。その当たり前の事実の中に、私たちは「人生に寄り添う仕事」としての美容師の役割を見ています。就職、結婚、出産、復職、転職、子どもの自立、自分自身と向き合う時間。お客様の人生の節目にも、その合間の「特に何もない期間」にも、髪はずっと隣にあります。だからこそ私たちは、目の前の一回のスタイリングだけでなく、その人がこれから過ごす毎日の方を見たいと思っています。

なぜ屋号を「UNBIRTHDAY」にしたのか

365日のうち、特別な1日は数えるほど

「UNBIRTHDAY」は直訳すれば「お誕生日ではない日」。1年365日のうち、本当に特別な“誕生日”はたった1日です。残りの364日は、ふつうの日、いわゆる「なんでもない日」。けれど、人生の大半を占めているのはどう考えても、その後者の方です。朝起きて、コーヒーを淹れて、家族や同僚と話して、夜ねむる。そんな1日1日が積み重なって、その人らしさになっていく。私たちはそこに、美容室として丁寧に関わりたいと思いました。誕生日や結婚式のためだけにきれいになるのではなく、明日もあさっても、なんでもない金曜日も、自分のことを少し好きでいられること。それを支える髪の状態を一緒につくっていくこと。屋号には、そんな思いを込めました。

「なんでもない日を、より良くする。」という約束

ブランドメッセージは「なんでもない日を、より良くする。」と決めました。劇的な変身でもなく、SNSで映える特別な日のためだけでもなく、明日からの普通の日々がほんの少しだけ整って見える。そんな仕事をしようと決めたのです。鏡の前で「あ、なんか今日いいかも」と思える朝が増えること。雨の日でもまとまる髪に救われること。子どもを抱き上げても崩れにくいデザインに安心できること。家でドライヤーをあてる5分間が、しんどい時間ではなく、自分を整える時間に変わること。そういう「気づきにくいけれど確かな良さ」を積み上げていく。それが私たちの考える美容室の役割です。この屋号は、お客様に向けてだけではなく、スタッフ自身が忙しい日々の中で初心に戻れる合言葉でもあります。指名が増えて、売上に追われて、目の前のお客様の「今日の一日」がぼやけてしまいそうになったとき、「自分たちが向き合っているのは、なんでもない日だ」と思い出すための名前。だからこのブランド名は、私たちにとって看板であると同時に、約束でもあります。

釣鐘の法則 ─ 打った分だけ響く

「打つ」とは、技術と想いを伝え続けること

UNBIRTHDAYには、創業当初から大切にしている経営哲学があります。それが「釣鐘の法則」。お寺の釣鐘は、強く打てば強く響き、弱く打てば弱くしか響かない。誰かが他人を打ってくれるわけでもなく、何もせずに音が鳴ることもありません。お客様への提案、スタッフ同士の声かけ、毎日の練習、ブランドの発信、新しい挑戦への一歩目。どれも、自分から「打つ」ことでしか響きません。これは精神論ではなく、私たちの行動原則そのものです。だから私たちは、結果が出ないときも、外側に原因を求めることをよしとしません。打ち方が足りなかったのか、打つ場所がずれていたのか、打つ姿勢ごと迷っていたのか。まず内側を見直す。そういうサロンでありたいと思っています。

5つのWAYに込めた、スタッフへのメッセージ

この哲学を具体的な行動指針にしたものが、社内で共有している「5つのWAY」です。

  1. 伝える、届くまで。
  2. 寄り添う、気づくところから。
  3. 共に育つ。
  4. みんなで、一つのゴールへ。
  5. 楽しむ、本気で。

どれも一見シンプルですが、ここには「自分から打つ」という同じ姿勢が流れています。提案は届くまでが提案。寄り添うのは指摘ではなく、気づくところから。育てるのではなく、共に育つ。サロンは個人事業の集合ではなく、ひとつのチームとしてゴールへ向かう場所。そして何より、自分たちが本気で楽しんでいない仕事は、お客様の日常もきっと軽くできない。そう信じています。もうひとつ、私たちが大事にしている言葉があります。「時に、相手以上に相手を想う」。お客様自身がまだ気づいていない癖や悩み、半年後・1年後の似合うイメージ、家での扱いやすさ。今日のオーダーの一歩先まで一緒に考えること。スタッフ同士も同じで、お互いの長所をその人より先に見つけて言葉にすること。技術以前の、人としてのスタンスです。これがあるかないかで、施術中の30分の会話の質が変わり、半年後の信頼が変わってきます。

11年で変わったこと、変わらなかったこと

4店舗・16名へ ─ 役割の広がり

2015年に1店舗で始まったUNBIRTHDAYは、いまでは神戸・三宮〜北野エリアに4つの店舗を持つチームになりました。本店「UNBIRTHDAY」は20〜30代のナチュラル志向の方と、若手スタイリストが育つ土台の店。「CHIKI(知己)」は中医学・東洋美学の視点を取り入れたメディカルケアサロン。「if」は大人女性向けで、ママスタイリストも無理なく働ける働き方を組み込んだ店。そしてフラグシップ「SPACIUM」は、30〜40代の大人ヘアの悩みに本気で向き合う、スタイリストにとっての到達点でもある場所です。同じグループの中で、それぞれの店が違う役割を持つ。お客様の人生の段階や、いま向き合いたいテーマに合わせて選んでいただける。そんな多様性のあるブランドへと育ってきました。

変わらなかったのは「教育サロン」であるという立ち位置

店舗数や規模が変わっても、創業からずっと変えていないことがあります。それは「UNBIRTHDAYは教育サロンである」というスタンスです。ここで言う教育は、技術研修のことだけではありません。お客様への提案力、人としての立ち居振る舞い、自分の人生の選び方まで含めて、スタッフが「自分の未来を簡単に諦めない人」になっていくための時間が、サロンにあるかどうか。代表自身が現場と経営を50:50で兼務しながら、2029年までに経営側へ比重を移していくのも、次の世代が安心して育っていける土台を残すためです。私たちが大切にしているのは「教える/教わる」という上下の関係ではなく、お互いの成長に責任を持つ横並びの関係。WAYに「共に育つ」とあるのは、そういう意味です。

「内から輝く人を、神戸から」というビジョン

私たちが掲げているビジョンは「内から輝く人を、神戸から」。外側だけきれいに整えるのではなく、その人の内側にある自信や安心が、髪を通じて少しずつにじみ出てくる状態を理想にしています。神戸という街は、海と山が近く、異国情緒と生活感が同居する、独特の落ち着きを持つ場所です。その空気の中で過ごす日常を、もっと自分らしく、もっと丁寧に整える。その手伝いを、UNBIRTHDAYは引き続きこの場所で続けていきます。創業当初に決めた「なんでもない日を、より良くする。」というメッセージは、11年経ったいまも、私たちが毎日鏡の前で確認している言葉です。

最後に ─ なんでもない日に、また会いに来てください

11年やってきて思うのは、美容室の本当の価値は、特別な日のために存在することではない、ということです。誕生日や結婚式の前日だけでなく、何もない火曜日の午後にふらりと立ち寄って、髪を切って、少し気持ちが整って帰る。そういう日のためにこそ、私たちは店を開けています。これからもUNBIRTHDAYは、誰かの「なんでもない日」を、ほんの少しだけ良くする仕事を、神戸の北野で続けていきます。

読んでくださって、ありがとうございました。もしどこかでこのブランドの空気が気になったら、いつでも会いに来てください。あなたの「なんでもない日」を、お待ちしています。


UNBIRTHDAYについて

株式会社UNBIRTHDAYは、神戸・三宮〜北野エリアで4店舗を展開する美容室グループです。2015年創業/スタッフ16名/代表:中務 剛志。「なんでもない日を、より良くする。」を合言葉に、髪を通してお客様の毎日に寄り添っています。

この記事は、UNBIRTHDAY公式ブログ「ブログトップ」内のカテゴリー「コラム」の記事です。

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